7月8日(土)。快晴。
九州北部では大変な豪雨に見舞われて多くの死傷者、行方不明者が出ている(7/10現在、大勢の犠牲者を生む、大きな自然災害となってしまった! お見舞い申し上げます。)というのに、関東地方はカンカン照り(7/10も引き続き)。
そんな中、甲州街道・笹子峠越えにチャレンジ。
峠を降りた後も、もう少し西へ向かって歩くつもりでした。が、炎天下の国道歩きでは、熱中症になるかもしれない、と予定を変更し、「甲斐大和」駅までにしました。
09:10から13:05までの約4時間。歩行数は約16,000歩、約10㌔。実に短い距離。でも、峠越えの山道があったので、ほどほどの疲れ。
前回、笹子峠の山道入口まで進んでいたので、「笹子駅前バス停」09:02発の「新田」行き路線バスに乗車、「新田下」まで。そこまで前回歩いた分、炎天下の「国道20号線」の歩きは、なし。小一時間助かりました。
今回は、何人かの同行者に出会いました。特に途中からは、60代後半のご夫婦と一緒の歩きになりました。
この付近は、「クマ出没注意」の看板もあるところ、クマ除けの鈴をお持ちのようで、さらに3人であえてがやがやおしゃべりをしていけば、ちょっと安心という算段。このご夫婦、あまり峠道(旧道)をご存じないらしく、そこは事前準備万端の小生、お手伝いをさせていただきました。
峠道も終え、県道に出てからお別れしましたが、まだまだ先まで歩き、途中で泊まるとのことでした。

人家がなくなると、いよいよ山道です。
(9:15)しばらく進むと「砂防ダム」の堰堤。杉林の道を進みます。


(9:24)木立の中を登っていくと、先ほど分かれた県道に合流します。「矢立の杉」の幟。

その先を進むと、前を行く二人連れを見つけました。ご夫婦のようです。大きく道を曲がって、左手にある「笹子峠自然遊歩道」という大きな案内板付近で追いつきます。案内板には矢立の杉まで800mと。そのところで迷っているようす。「この先、矢立の杉入口」という看板も道端にあるのが紛らわしい感じ。この道を行くのだと思いますよと「自然遊歩道」の道を案内。このあたりから3人旅となります。

落ち葉が敷き詰められた歩きやすく広い山道を登っていきます。右手に開けた場所が。

(9:42)「三軒茶屋」跡で、「明治天皇御野立所跡」碑があります。


顕彰の記
過ぐる明治十三年六月十九日大帝本縣御巡幸に際し、畏れ多くも此の地天野治兵衛家に御野立あらせられ、聖蹟を永久に残させ給へりと雖も、時代の変遷と文化の発達による中央線の開通は、此の地を過ぐる者をして絶無ならしめ、為めに聖蹟も又口碑に傅ふるに過ぎざりき
聖蹟の主 天野治兵衛氏
之を慨嘆する事多年其の効空しからず、陸軍大将菱刈閣下の御揮毫を得て記念碑を建立し以て之を永久に傅へんとす。
昭和十二年十一月七日
※明治天皇御野立所跡記念碑除幕式における笹子村長天野五六様祝辞より抜粋

街道当時の石垣などが残っています。

(9:48)まもなく杉木立の先にとてつもなく大きな杉が見えて来ます。「矢立のスギ」。



県指定天然記念物
笹子峠の矢立のスギ
所在地 山梨県大月市笹子町大字黒野田字笹子1924の1
種類 スギ
指定 昭和35年11月7日
所有 山梨県
このスギは昔から有名なもので、昔の武者が出陣にあたって、矢をこのスギにうちたたて、武運を祈ったところから「矢立のスギ」と呼ばれてきたものである。
そのような名木であるうえに巨樹であるために、県指定天然記念物にされているものである。
その規模は次のようである。
根廻り幹囲 14.80メートル
目通り幹囲 9.00メートル
樹 高 約26.50メートル
幹は地上約21.50メートルで折れ樹幹中は空洞になっている。
昭和50年10月 山梨県教育委員会
携帯写真ではおさまりきれない巨木。人が側に立つとよけいその大きさが目立つ。中は空洞になっていて、かつては人が入れたようですが、現在は保護のため、立ち入り禁止となっています。


なかなか全貌が取れないので、


右手に杉良太郎「矢立の杉」碑。

矢立の杉
作詞・作曲 大地 良
唄 杉 良太郎
絹雨が降り 足が止まる
虹が出て まるで夢の中
目の前に そびえる 千年の杉
旅人よ 少し休んでいかないかと
語りかけてくる
ここは甲州笹子峠の 黒野田村
矢立の杉の物語
・・・ほこらの中から
見上げる空に輝く星が 強く生きろ
矢立の杉が抱きしめる
旅人よ 生きることに疲れた時は
ここへ来るといい
ここは甲州笹子峠の 黒野田村
矢立の杉のあるところ
右手にはハンドルを回すとこの曲が流れてくる装置がありますが、遠慮しました。「杉」つながり? 2008年頃の歌らしい。
少し高台にテラスがあってベンチもあり、休憩しながら矢立の杉を眺めるのは、最高。
さて、笹子峠に向かって出発。ここで道が二手になります。県道へ向かう道はしっかりした道ですが、旧道は山道を進みます。

夏の暑い太陽を浴びて輝く緑。

ひたすら登ります。

(10:13)一汗かき、ヒョイッと県道に出ます。

山道を振り返って望む。

このあとは県道を「笹子峠トンネル」まで上っていきます。
後ろから自転車が喘ぎ喘ぎ上って行きます。峠を越えれば、後は下り坂が待っています。「お疲れ様、頑張って! 」つい声援を。