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Channel: おやじのつぶやき
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「歌舞伎鑑賞教室」。その1。「黒手組曲輪達引」―浅草公会堂―。

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 この連休。新型コロナ感染。生命あっての物種。世間に呼応して自宅待機。そこで、You Tubeで歌舞伎見物という具合。

 亡き勘三郎をはじめ、玉三郎、愛之助などが出演する演目がけっこうアップされています。そこで、いくつか・・・

 今回は、「新春浅草歌舞伎」(2011年1月公演)より。
 海老蔵がまだ「市川亀治郎」と名乗っていたときの作品。勘三郎の次男七之助や
などが出演し、それぞれ若さあふれる芝居を演じています。

「WOWOW」で放送されたものです。

 亀治郎(海老蔵)の早替わりが楽しみなお芝居。主役の「助六」が「権九郎」も演じ、愛嬌を振りまき、さらに「伝次」と3役替わります。

 序幕は、揚巻がいる新吉原「三浦屋」にいる新造白玉(市川春猿 現河合 雪之丞)と駆け落ちしようと大金を盗んで用意した番頭権九郎。しかし、白玉の本当の恋人伝次が現れ、大金を横取りする。この二役を亀治郎が早替わりで演じます。
ここでの早変わりは、えっ! 
       何回も見直しましたが、見事な趣向です。
                        

こんなシーンも。福山雅治の曲が流れ、歌う。

泥鰌すくいの仕草で。

                

 もともとこのお芝居は、「助六由縁江戸桜」のパロディなので、こういうのもありかな、と。

 ギャグも随所に散りばめられ、新春らしい楽しいお芝居になっています。他のお芝居を観ても当世受けの(上演当時受けの)ギャグが散りばめられています。

 あらすじは、父親を殺され、宝刀を盗まれてしまった助六が刀を奪い返し、父の仇を伐つというストーリー。

「助六」には、亀治郎、恋人の花魁の「揚巻」には、七之助という配役。
登場した瞬間、舞台が華やいでいく。

 二幕目は序幕とはまるで無関係な吉原から始まります。(「三浦屋」つながりのみで、序幕は亀治郎の早替わりという見せ所のために、あり。)

 白酒売りが男どもに絡まれていたのを助六が助ける場面。股くぐりのシーンは、「スカイツリー」までせりふに登場するなど、ギャグ合戦。


                    

 助六の父親を殺し、名刀を奪ったのは、鳥居新左衛門(亀鶴)。

     

そうと知った助六が新左衛門を討ち果たして名刀を取り戻す。

 しかし、吉原中の騒ぎになって、助六は逃げることに。追っ手からの逃げ場を失った助六がその身を隠したのが天水桶。
 舞台上に設置された水桶には、本水がたっぷり蓄えられて、その中に勢いよく水しぶきをあげて飛び込むという圧巻のシーン。


             

 水桶から出てきた水浸しの助六はとうとう追っ手に見つかります。
 そこに登場するのが揚巻。助六を自分の着物の内側に隠し、小気味の良い啖呵を切って、助六は助けられます。
ここでも大量の水を舞台上に。

       

         大見得を切る二人。
 
 それぞれ、元気溌剌としたお芝居でした。

 注:映像は、すべて「You Tube」より。

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