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Channel: おやじのつぶやき
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小樽市総合博物館。旧手宮駅。転車台。機関車庫。・・・(小樽。その3。)

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 運河沿いの探索もそろそろ終了。ほとんど人通りもなくなった道を進みます。左手にある「鱗友朝市」までの道にもまだ魅力的な倉庫群。

 「旧右近倉庫」、「旧広海倉庫」、「旧増田倉庫」。それぞれ特徴があり、それぞれまた現役で荷物の出し入れを行っています。

    
                      「旧増田倉庫」。外壁の文様がすばらしい。

    
                      「旧広海倉庫」。手前には新しい事務所があります。


    
                   「旧右近倉庫」の外観。壁の上部には持ち主を示す印があります。

 ここまで来ると、ほとんど人通りもなくなってきます。道なりに進みましたが、お目当ての「小樽市総合博物館」の入口が見当たりません。はて? 列車や貨車が置いてあるのは見えるのですが・・・。
 しかたなく道を戻ると、「マックスバリュー手宮店」の大きな建物が右手奥に見えます。交差点を右に曲がって、その駐車場の前を行くと、右手に「小樽市総合博物館」。大きな車輪のモニュメントと「転車台」が目に飛び込んできます。
 その右が「手宮口」の入口(後から「パンフレット」を見ると、この入口は「夏期のみ」で、さっきの道を戻らずにもう少し先に行ったところが「正面入口」だったようです)。いずれにしても、よかった! よかった!

「転車台」。

    
                  機関車の動輪と巨大な「指差し確認」モニュメント。

 熱い思いが刻まれています。

 北海道鉄道発祥の地 小樽
 先人の夢 希望 願いを乗せ
 ここゼロマイルの地 手宮より
 切り開かれていった北海道
    今 新たなる起点
   未来への翔きとして
 記念モニュメントを贈る
 
 1988・9・2 

               「北海道鐵道發祥驛」碑。「手宮口」手前、左手にあります。

北海道鉄道発祥驛

碑の背景コメント

 北海道の鉄道は1880年1月に着工され、11月に開通した手宮-札幌間が最初である。
 この鉄道は幌内で産出された石炭を船に積み込める場所まで輸送することを目的として建設された。
 当初は幌内から江別付近の石狩川までの計画であったが、江別付近は湿地が多く川舟への積み替え設備建設が困難なこと、石狩川の凍結により半年間は川舟による輸送が困難なこと、貨車から川舟、川舟から道外に移送する舟へと積み替えの手間がかかること等から小樽-幌内間を直接鉄道で結ぶこととなった。
 この為、鉄道は港のある小樽から札幌、幌内へと伸延された。 この為、最初に設置された駅が小樽であり、ここに発祥駅碑が建立された。

基本情報

 所  在  地 : 小樽市手宮 小樽交通記念館手宮口左側(注:現在は「小樽市総合博物館手宮口左側」)
 マップコード : 493720757*02
 建  立  日 : 1949年11月18日
 建  立  者 : 手宮駅旅客取扱復活期成同盟会
 種     別 : 発祥碑
 撮  影  日 : 2004年 7月

碑  文

 北海道の鐵道發祥地は手宮驛である
 その由来は明治六年に北海道開拓長官黒田清隆が幌内煤田採掘の計画の下に技師を派遣して調査研究させた結果に基づきまづ幌内幌向太間は鉄道を建設し幌向太からは石狩川を船で川口に下り小樽に運送する計画を樹てた事に始まる
 明治十二年三月に線路の測量が開始されたが偶々冬季河水の凍結石炭積替の手数等のため不利であろうとの意見が出て鐵路により直接小樽港手宮に運送する事が最も有利であると認められ幌内手宮間五十六哩の一部手宮札幌間の鉄道が敷設される事となった 明治十三年十一月十八日遂に手宮輕川間が開通し列車は辨慶号機関車をもって運轉された
 ついで同月二十四日に札幌まで開通し更に命じ十五年末に札幌幌内間が竣工しここに手宮幌内間が全通した
 以後鐵道は逐次延長されて今日の發展を見たのである
 その第一歩は正しく手宮驛からであつて北海道の鐵道發祥地と稱する所以である
 しかるにこの由緒深い手宮驛の旅客取扱が太平洋戦争酣の昭和十八年十月に國策によつて廢止された
 以来市民は尠からず不便を感じていたが二十年八月終戦を迎えると共にこれが復活の聲は油然く起こった
 ここにおいて有志は手宮驛旅客取扱復活期成同盟會を結成し會長に西富士松を推して運輸當局に復活請願を續け幾多の迂余曲折を経て二十三年十一月十日に列車は漸く南小樽驛まで復活した
 しかし乗換のための不便が頗る多く重ねて直通列車運転を要路に懇請した結果二十四年九月から岩見澤驛まで二往復の直通列車の運轉を見るに至ったのである
 これを機會に手宮驛の由来に併せて長年月に亘り献身的努力を画した西會長の偉大な效績を勒し碑を建立して記念とする


碑文意 (略)

(以上、碑の背景、基本情報及び碑文は「歴史の一部となった鉄道(保存されている鉄道車両と鉄道関連の記念碑)」〈hozonsharyou.web.fc2.com/Monument/K01Holtukaidou/Otaru2.html〉HPより引用)

 この方のHPには、北海道のみならず全国を飛び回っての膨大な実地踏査に基づく保存車両、記念碑等、鉄道に関する貴重な資料が満載されています。並々ならぬ行動力と探究心には驚きです。
 今回の碑も近づいて何枚か撮ってはみたものの、携帯写真の悲しさ、限界。刻まれた文字の不鮮明な個所が多く、碑文の解読・詳細は分かりませんでした。先人の労作に深く感謝しながら、今回、参考にさせていただきました。

    
               前広場の全景。視界が開け、たくさんの鉄道車両の姿が。

    
        「手宮駅」乗り場。             ホームには北海道で活躍した鉄道車両が並んでいます。

    
                     車内にも入ることができます。

    
 夏期には、アイアンホース号―明治42(1909)年にアメリカのHKポーター社で製造され、中米のグァテマラや北米で活躍したのち小樽に来た―が客車を引いて構内を走り、転車台でぐるりと回る、らしい。

      

HPより)

    
                   車両の種類や形式などまったく不如意なのが残念。マニアには垂涎の車両群。
                         

    
                          転車台と機関車庫

      

                    

国指定重要文化財 旧手宮鉄道施設   平成13年11月14日指定

 旧手宮鉄道施設は、明治13(1880)年11月に開通した「幌内鉄道」(北海道で最初)の起点である旧手宮駅構内にあり、機関車庫(一号、三号)転車台、貯水槽、危険品庫、擁壁などから構成されています。旧手宮駅は開拓に必要な生活物資および生産資材などの道内各地への輸送、石炭をはじめとする道内各地の産物の道外輸送にかかわる海陸交通の拠点として発展を遂げました。
 現在、蒸気機関が主流であった時代の鉄道施設が残る場所としてわが国の鉄道技術発展を示すとともに、日本近代史上における北海道の役割や、産業形態などを考える上でも重要な近代化遺産となっています。
 なお、昭和35(1960)年日本国有鉄道は機関車庫三号を鉄道記念物に指定し、その後JR北海道に引き継がれましたが、平成13(2001)年4月、文化財として保存するために小樽市に譲渡されました。

                     小樽市教育委員会
                          

機関車庫一号

 明治41(1908)年頃の建築。壁面レンガはイギリス積みです。当時、増え続ける輸送量に対応するため設けられた機関車庫で、建築当時は5線分の間口でしたが昭和初期に数が減らされ、現存するのは東側の2線部分のみです。他の3線部分は平成8(1996)年に復元されました。
           小樽市教育委員会

注:レンガの積み方
 建築構造としての積み方にはフランドル積み(フランドルはベルギー全土からフランス東北部の地名。日本では明治期に「フランス積み」と誤訳された)、イギリス積みなどがある。
 正面から見たときに、一つの列に長手と小口が交互に並んで見えるのがフランドル積み。一つの列は長手、その上の列は小口、その上の列は長手、と重ねてゆくのがイギリス積みである(下図・濃淡は小口と長手の区別のため便宜的につけたもの)。
         
 フランドル(フランス)積み。        イギリス積み。
(以上、「Wikipedia」より)

 上の説明からすると、右手にあるのが「フランドル積み」で、左手にあるのが「イギリス積み」のような気がしますが。

    

 右側の蒸気機関車は、「7150(形式7150大勝号)」。明治28(1895)年、北海道炭礦(鉱)鉄道手宮工場で完成。日本製の蒸気機関車としては第2番目に誕生、現在見ることのできる最古の国産蒸気機関車。
 7100形(義経号やしづか号)を手本に外国人の指導を受けず日本人の技術で製造された、らしい。
 「しづか号」は、館内に入ると目を引くところに展示されています。この蒸気機関車は明治17(1884)年にアメリカで製造され、翌年手宮に配置されました。
 
    

ラッセル車など展示されています。

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