(フランス映画「シェルブールの雨傘」―youtube―より)
今日、12月7日は、大雪(たいせつ)
「冬至」までの期間をさし、「小雪」から数えて15日目にあたります。
本格的に冬が到来するころとなり、山々は雪に覆われ、平野にも雪が降り始めます。新しい年の準備をはじめる「正月事始め」もこの時期から行われます。
七十二侯では、
・初侯 12月7日〜12月10日頃閉塞成冬 そらさむくふゆとなる
天地の気が塞がれ、冬がおとずれる頃。空は重い雲に覆われ、生き物はじっと気をひそめています。塞ぐという言葉は、寒さから人々を守るという意味でとることもできます。
・次侯 12月11日〜12月15日頃熊蟄穴 くまあなにこもる
熊が冬ごもりの時期に入り、穴にこもる頃。春になるまで、穴の中で過ごします。熊だけではなく、しまりすや蛙、こうもりも冬ごもりを始めます。
・末侯 12月16日〜12月20日頃鱖魚群 さけのうおむらがる
鮭が川を遡上する頃。海で育った鮭は、産卵のために自分の生まれた川へと里帰りをします。北国では冬を代表する光景のひとつであり、迫力のある遡上を見ることができます。
(この項、「暦生活」HPより)
ところで、大雪にあまり見舞われることがない地方にふさわしい自然現象に「風花(かざはな)」があります。
※「風花」
晴天時に雪が風に舞うようにちらちらと降ること。あるいは山などに降り積もった雪が風によって飛ばされ、小雪がちらつく現象のこと。からっ風で有名な静岡県や群馬県でよく見られる。
冬型の気圧配置が強まり、大陸から日本列島に寒気が押し寄せてくると日本海側で雪が降るが、その雪雲の一部が日本列島の中央にある山脈を越え、太平洋側に流れ込んできたときに風花が見られる。(「Wikipedia」より)
この風花を「旧東海道歩き」、静岡県の「大井川」で体験しました。そのときのようすをブログで再掲。
(2015年2月3日)
土手に上がって、対岸を望む。
北側の雲は雪雲そのもの。立っているのがやっとのほどの強風。渡る橋は北側の「大井川橋」。
雪の舞う西風の中、辺りを見回す余裕もなく、帽子が飛ばないよう必死に押さえながら、やっと橋のたもとに。1㎞という橋の長さですから、15,6分はかかりそう。 対岸はかすんで見えるのみ。
渡り終え、しばらく土手を進み、ほっとして橋の方向を振り返ると、何と! 橋の向こうに富士山が。
ウソみたいに晴れ渡ってきて、風もいくらか穏やかに。土手の上を自転車に乗ってやって来た地元の方、自転車を停めて、富士山を指し、「今日はよく見えますね、すばらしいですね。」と去っていきます。こちらも土手の上で、すてきな景観をしばらく眺めていました。
・・・
そうそう、川上弘美さんの小説に『風花』という作品があります。
そのエピローグは、女性としての生き方に、確乎とした信念や行動を持ち合わせてはいないように見えた主人公が、少しも後ろを振り向かずに、赤色の横断歩道を駆けだしていく。それを呆然と見つめる夫の姿を(作者は)「やさしく」突き放しています。そこには、自らの、一回限りの人生を、確かに生きていこうとする女性の姿とそれにとまどう男の姿が、・・・。選んだ道の行く手は、どうなっていくのか。
読者も、またここから(立ち止まるのか、駆け足になるのか)、自分の人生を見つめ直すしかないのでしょう。
本格的な冬を迎える師走。新春を迎える準備の中で、来し方行く末を思うことも大事かもしれませんね。

