
「緊急事態宣言」下の東京都。近隣の神奈川、埼玉、千葉が「蔓延防止」でとどまっているのが、不思議なくらい。
IOCは、緊急事態宣言下でも「オリパラ」は開催すると、断言。「オリパラ」目指して励んできたアスリートの期待に応える、とか。開幕すれば人々の気を紛らすことができ、希望や喜びを与えられる、そのためには無観客では・・・。
IOCに言いなりの菅自公政権。
丸川大臣、コロナ禍で分断された人々の間に絆を取り戻す大きな意義がある、と。この東京大会は世界中の人々が新たな光を見いだすきっかけになる、とか。「絆」「新たな光」?
平井大臣、国民の命と健康を守ることができるのなら、パンデミック(世界的流行)下での五輪開催というモデルを日本が初めてつくることになる、とか。
ここまで来ると、国民の生命と暮らしを守ることをどこまで本気で考えているのか。逃げを打っているつもりでしょうが。
感染が多い国から大量に選手、関係者、報道陣がやってくる! 彼らが禁止条項にきちんと従ってくれるという空約束(たぶん)のもとで。
政府、東京都。ここで解除して7月に入って再拡大したら、えらいことに。そこで、延長しても6月20日までとし、「オリパラ」に備えるという魂胆が見え見え。
そのため、高齢者などのヘのワクチン接種を何としても7月末までに(オリンピック開会までに)、と自治体をせかす。
人形遣いの意のままに踊らされる「哀れさ」よ。操り人形ならまだしも、腹話術の人形となっている? 「交通安全教室」ではないんですから。
というわけで、「撃ちてし止まん」「欲しがりません勝つまでは」とか「竹槍で闘う」とかの気概もない老国民は、じっと我慢の時を過ごす。
そこで、昨年に続いて「歌舞伎鑑賞教室」を。
第1回は「操り三番叟」。千秋万歳、弥栄を言祝ぐめでたい所作事。皮肉でも何でもありませんが。
舞台は、操られつつも、自在かつ華麗に舞い踊る三番叟=勘太郎。見事な踊りを披露します。
筋立ては
①翁と千歳(せんざい)の舞
千歳=中村鶴松、翁=中村獅童。
幕が開けると、背景は能舞台を模した松羽目。翁と千歳が登場。能の所作事で始まります。千歳の若々しい舞に続き、翁が厳かに舞う。初春のめでたさや末永い繁栄を祝う歌詞。舞い終わった二人は再び礼をし、去って行く。
②三番叟の登場 三番叟=中村勘太郎(現勘九郎)、後見=尾上松也。
後見が登場し、背景が鶴を描いたものに変わる。後見は三番叟と書かれた大きな箱を開け、中から人形を取りだし、抱えて舞台中央へ。
糸のついた台を舞台の上方に。これで人形遣いと人形が糸で繋がり、三番叟が動き出す。
おおさえおさえ 喜びありや 喜びありや 我がこの所より外へは遣らじとぞ思ふ
③「揉みの段」。
三番叟は袖を翻し躍動的に踊り出し、大地を踏みしめる振りや大きく飛ぶ「烏飛び」などの型を軽やかに見せていく。
父親(勘三郎)譲りの達者な踊りを披露します。手の動き、足の動き・・・、まるで人形のように自在に。
ところが、途中で糸が絡まってしまい、三番叟は糸の撚れに従いくるくるくるくると廻り出す。どんどん加速がついて廻る三番叟、ついに糸がふつりと切れて、舞台に倒れ伏す。
後見が切れた糸をつなぐ。すると、再び三番叟はゆっくりと動きはじめ、鈴を手にして種蒔きの所作を見せる④「鈴の段」。
五穀豊穣を祈って幕となります。
千秋万歳 万々歳の末までも 賑はふ御代とぞ舞ひ納む
当代きっての若手役者たち。なかなか見応えのあるお芝居でした。
(映像は「YouTube」より)
ところで、「甲州街道」歩きのとき、「猿橋」。
この「三番叟」を「笹子追分人形芝居」で拝見しました。
「追分人形式三番叟」。
三人がかりで人形を操ります。少々小ぶりな人形に素朴な衣装を身につけ、テープの義太夫節に合わせて動作をします。中央の人は高下駄をはいています。素朴な中に地域の伝統芸能のすばらしさを観せてもらいました。
さんばそう【三番叟】
1 能の「翁(おきな)」で、千歳(せんざい)・翁に次いで3番目に出る老人の舞。直面(ひためん)の揉(もみ)の段と黒い尉面(じょうめん)をつける鈴の段とからなり、狂言方がつとめる。また、その役および面。→式三番
2 歌舞伎・人形浄瑠璃に1が移入されたもの。開幕前に祝儀として舞われたほか、一幕物の歌舞伎舞踊としても発達。
3 地方に1または2が伝播し、各地の民俗芸能に取り入れられたもの。多くは最初に演じられる。
(「デジタル大辞泉」より)