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Channel: おやじのつぶやき
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「立春」。「年のうちに春は来にけり・・・」。「早春賦」。「梅一輪・・・」。

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                   「隅田公園」。

今日は「立春」。昨日は、「節分」でした。普通、「立春」の前日、「節分」というと2月3日ですが、今年は、2月2日。2日になるのは1897(明治30)年以来124年ぶりとのことでした。

節分は各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬の前日それぞれを指しますが、そのうち立春の前日だけが残っています。立春、春分などの二十四節気は、季節、気候が移り変わる時季の目安とされてきました。立春の前日のみが「節分」として残ったのは、「立春が太陰太陽暦(旧暦)の正月に近く、年の変わり目の意味合いが強いからと言われています。」(「国立天文台暦計算室」)

それでは、節分の日がずれるのは、どんな理由からなのでしょうか。(以下、「ウェザーニュース」参照。

「1年=365日と思っている人も多いと思いますが、1太陽年(地球が太陽を1周する時間)は暦の1年ではなく、およそ365.2422日=365日+6時間弱なのです」(国立天文台暦計算室)

この6時間弱という端数のために、立春の日の基準となる「立春点の通過時刻」は年々遅くなっていきます。4年経つとその累計がほぼ1日になるため、1日増やしたうるう年を作ることで、季節と日付が大きくずれていかないようにしているのです。

「このため、立春点の通過時刻も変動します。つまり、1年ごとでは1太陽年365.2422日と1年365日の差(約6時間)ずつ遅くなる一方、うるう年には4年前より少し早くなる、というパターンです。この流れによって、しばらく2月4日の中に納まっていた立春が2021年には2月3日へ移り、その前日である節分も連動して2月2日へ移ったというわけです」(国立天文台暦計算室)
2021年の立春の時刻は2月3日23時59分で、2022(令和4)年はまた2月4日となります。このため前日の2月3日が例年どおり節分となり、これが2024(令和6)年まで続きます。

ところが2024年がうるう年にあたることから、翌2025(令和7)年の立春は2月3日に早まり、節分は4年ぶりに2月2日となるのです。この『うるう年の翌年は2月2日が節分』という流れは以降、「当分は4年おき」(国立天文台暦計算室)に続くといいます。・・・

太陽系に属する地球の自転という壮大な(?)お話しなのですね。

ところで、「立春」の今日は、旧暦で言うと、12月22日。新春・1月1日は、まだまだ先。こういう歌があります。

ふるとしに春たちける日よめる  

年のうちに 春は来(き)にけり ひととせを去年(こぞ)とやいはむ 今年(ことし)とやいはむ

《「古今和歌集」 在原元方(ありはらのもとかた)》注:在原業平の孫

この歌が「古今和歌集」の巻頭にあります。「理知的」をモットーとした「古今集」らしい、との評価も。「このうた、まことに理つよく、又をかしく聞えてありがたくよめるうたなり」と藤原俊成は評しています。

しかし、正岡子規は「実にあきれかえった無趣味の歌(で)、日本人と外国人の合の子を日本人とや申さん外国人と申さんとしやれたると同じ事にて、しやれにもならぬつまらぬ歌に候」とぼろくそにけなしています。

そして、「古今集」の次の歌が紀貫之の作。

春たちける日よめる      
   袖ひちて  むすびし水の  こほれるを  春立つ今日の  風やとくらむ

こちらも理屈っぽいと言ってはその通りです。(夏に)袖をぬらしてすくった谷川の水が(冬の間は)凍っていたのを、立春の今日の風が融かすだろうか、と云うんですから。

さて、ここでまた話題を転じて。

「早春賦(そうしゅんふ)」《吉丸一昌(よしまる かずまさ)作詞、中田章(なかた あきら)作曲》

これは名歌ですね。


春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声もたてず

氷融け去り 葦(あし)はつのぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよと この頃か
いかにせよと この頃

すると、こんな俳句を思い出します。

芭蕉の弟子の服部嵐雪「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」

この句には解釈が二通りあるようです。

「梅が一輪咲いていて、かすかにその一輪ほどの暖かさが感じられる」

「梅の花が一輪、また一輪とだんだん咲くにつれて、少しずつ暖かくなっていく」

前者は、「寒さの中でほんのりと感じる春の暖かみ」、後者は、「だんだんと暖かく、近づく春の足音」。

「ほど」の意味合いをどうとらえるか。「梅一輪」と次の「一輪」を区切って読むかどうか、ですかね。

そこで、今朝の梅の様子を「隅田公園」で。

「八重寒紅」。

        

   

今日は、けっこう寒い東京。日本海側や北海道は真冬の寒さのようです。関東地方にはいつ「春一番」が訪れるでしょうか?

 


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