若いトロンボーン奏者グレン・ミラー(ジェームズ・スチュアート)は、新しい音楽サウンドの創造に情熱を燃やしているが、商売道具のトロンボーンを質屋に出し入れするという苦しい生活を続けている。偶然、グレンの編曲した作品がベン・ポラック(自身の出演。もちろん当時は若かった!)の耳にとまり、ポラックの楽団の編曲助手として採用される。
![]()
演奏旅行中、デンヴァーに来たとき、グレンは大学時代の女友達ヘレン(ジューン・アリソン)に電話をかけ、真夜中に彼女を訪れた。彼はヘレンとは2年間も音信不通であったが、ヘレンの方も実はその気があったことが分かる。
![]()
グレンは、ポラックの許を去ってニューヨークで2年間編曲に苦しんでいるとき、街角でふと聞いた「茶色の小瓶」のレコードから長距離電話でヘレンを呼び出して結婚を申込み、家を飛び出し3日かけてやってきたヘレンとニューヨークの小さな教会で結婚式を挙げる。
結婚式の晩、サッチモとの共演。
ヘレンはグレンにすすめて自分の楽団を組織させ、6ヵ月後ボストンに出演することになったが、途中雪道での車の故障でキャンセル。妊娠中のヘレンも健康を害し入院してしまった。(初期の頃の自動車が次々と登場。)
ボストンのホールでのリハーサル中、トランペット奏者が唇をいためたため、クラリネットにかえて演奏させたところ、これがきっかけで「グレン・ミラー・サウンド」の誕生となり、評判になる。大当りがつづき、レコードも飛ぶように売れた。各地から招かれ、独自のスイングスタイルを作り上げ、続々とヒット・ソングを生み出す。自ら編曲した曲をトロンボーンを演奏しながら指揮をするスタイルも確立(ビッグバンドの基本?)。
そんな絶頂期の頃、第2次大戦が勃発。グレンは志願して空軍に入り、自らの楽団を組織して演奏を行う。ロンドンなど激しいヨーロッパ戦線で戦う軍隊の慰問旅行にあちこち出かける。
ありきたりの行進曲から「セントルイスブルース」を行進曲風にアレンジして演奏。行進する兵隊が生き生きと。
慰問の演奏。
空襲警報が鳴り響いても、演奏を中断しない。
44年12月、深い霧の中、グレンを乗せてロンドンからパリに向かった飛行機はパリについに到着することはなかった。クリスマスの夜、遺作となった録音演奏の中で「茶色の小瓶」を演奏し、ヘレンへの深い愛情と励ましを与える。
![]()
《挿入歌》グレンミラー楽団
・MOONLIGHT SERENADE
・A STRING OF PERLS
・PENNSYLVANIA 6-5000
・TUXEDO JUNCTION
・ST.LOUIS BLUES MARCH
・IN THE MOOD
・CHATTANOGA CHOO CHOO
・AMERICAN PATROL
・LITTLE BROWN JUG
この他にもたくさんのジャズ音楽が流れます。
《スタッフ・キャスト》
監督:アンソニー・マン
脚本:ヴァレンタイン・デイヴィス、オスカー・ブロドニー
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:ヘンリー・マンシーニ、ジョセフ・ガーシェンソン
出演:ジェームズ・スチュワート
ジューン・アリソン
ルイ・アームストロング
ベン・ポラック
ルイ・アームストロング(サッチモ)は、『5つの銅貨』にも出演、ダニーケイと一緒に掛け合いの素晴らしい演奏を披露していました。その映画には、若き日のグレン・ミラーも登場。
耳慣れた曲が次々と演奏され、懐かしさでいっぱい。実は、グレンミラーの一生を初めて知りました。没後すでに70年を過ぎようとしているのに、殺伐とした今の世の中、大戦中の兵士達と同様、スイングジャズのすばらしさ、それを代表するグレンミラーサウンドの心地よさ、いっときの安心感・充実感があとにつながっていくためにも必要とされているのかも知れません。
一方で、「アメリカンパトロール」が演奏される中、激しい戦闘シーンの実写映像が流され、パリ解放につなげていく。アメリカ国外で勝利するために戦う多くの兵士を慰め、鼓舞していった、そして、パリに向かう途中行方不明になる、当時のアメリカンヒーローとしての圧倒的な支持を得たグレンミラーという人物像。1953年製作という時代背景も痛切に感じました。
「真珠の首飾り」が小道具として絶妙な役割、またヘレンが首筋を触るしぐさも時を得て効果的。また、『5つの銅貨』のダニーケイも絶妙なはまり役でしたが、ジェームズ・スチュワートも誠実な雰囲気を醸し出していました。
『5つの銅貨』と比べると、ストーリー的には物足りなさを感じましたが(それぞれの人物の生涯を描いた違いですからしかたがありませんが)、それでもすてきな映画でした。

演奏旅行中、デンヴァーに来たとき、グレンは大学時代の女友達ヘレン(ジューン・アリソン)に電話をかけ、真夜中に彼女を訪れた。彼はヘレンとは2年間も音信不通であったが、ヘレンの方も実はその気があったことが分かる。

グレンは、ポラックの許を去ってニューヨークで2年間編曲に苦しんでいるとき、街角でふと聞いた「茶色の小瓶」のレコードから長距離電話でヘレンを呼び出して結婚を申込み、家を飛び出し3日かけてやってきたヘレンとニューヨークの小さな教会で結婚式を挙げる。

ヘレンはグレンにすすめて自分の楽団を組織させ、6ヵ月後ボストンに出演することになったが、途中雪道での車の故障でキャンセル。妊娠中のヘレンも健康を害し入院してしまった。(初期の頃の自動車が次々と登場。)
ボストンのホールでのリハーサル中、トランペット奏者が唇をいためたため、クラリネットにかえて演奏させたところ、これがきっかけで「グレン・ミラー・サウンド」の誕生となり、評判になる。大当りがつづき、レコードも飛ぶように売れた。各地から招かれ、独自のスイングスタイルを作り上げ、続々とヒット・ソングを生み出す。自ら編曲した曲をトロンボーンを演奏しながら指揮をするスタイルも確立(ビッグバンドの基本?)。
そんな絶頂期の頃、第2次大戦が勃発。グレンは志願して空軍に入り、自らの楽団を組織して演奏を行う。ロンドンなど激しいヨーロッパ戦線で戦う軍隊の慰問旅行にあちこち出かける。



44年12月、深い霧の中、グレンを乗せてロンドンからパリに向かった飛行機はパリについに到着することはなかった。クリスマスの夜、遺作となった録音演奏の中で「茶色の小瓶」を演奏し、ヘレンへの深い愛情と励ましを与える。

《挿入歌》グレンミラー楽団
・MOONLIGHT SERENADE
・A STRING OF PERLS
・PENNSYLVANIA 6-5000
・TUXEDO JUNCTION
・ST.LOUIS BLUES MARCH
・IN THE MOOD
・CHATTANOGA CHOO CHOO
・AMERICAN PATROL
・LITTLE BROWN JUG
この他にもたくさんのジャズ音楽が流れます。
《スタッフ・キャスト》
監督:アンソニー・マン
脚本:ヴァレンタイン・デイヴィス、オスカー・ブロドニー
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:ヘンリー・マンシーニ、ジョセフ・ガーシェンソン
出演:ジェームズ・スチュワート
ジューン・アリソン
ルイ・アームストロング
ベン・ポラック
ルイ・アームストロング(サッチモ)は、『5つの銅貨』にも出演、ダニーケイと一緒に掛け合いの素晴らしい演奏を披露していました。その映画には、若き日のグレン・ミラーも登場。
耳慣れた曲が次々と演奏され、懐かしさでいっぱい。実は、グレンミラーの一生を初めて知りました。没後すでに70年を過ぎようとしているのに、殺伐とした今の世の中、大戦中の兵士達と同様、スイングジャズのすばらしさ、それを代表するグレンミラーサウンドの心地よさ、いっときの安心感・充実感があとにつながっていくためにも必要とされているのかも知れません。
一方で、「アメリカンパトロール」が演奏される中、激しい戦闘シーンの実写映像が流され、パリ解放につなげていく。アメリカ国外で勝利するために戦う多くの兵士を慰め、鼓舞していった、そして、パリに向かう途中行方不明になる、当時のアメリカンヒーローとしての圧倒的な支持を得たグレンミラーという人物像。1953年製作という時代背景も痛切に感じました。
「真珠の首飾り」が小道具として絶妙な役割、またヘレンが首筋を触るしぐさも時を得て効果的。また、『5つの銅貨』のダニーケイも絶妙なはまり役でしたが、ジェームズ・スチュワートも誠実な雰囲気を醸し出していました。
『5つの銅貨』と比べると、ストーリー的には物足りなさを感じましたが(それぞれの人物の生涯を描いた違いですからしかたがありませんが)、それでもすてきな映画でした。