雨に濡れるモッコウバラ
今日の東京地方は朝から、しっとり雨が降っています。
そして、今日、4月20日は24節気の6番目「穀雨(こくう)」。
今年は4月20日(水)〜5月4日(水)の期間で、5月5日が「立夏」となります。
「春の柔らかな雨に農作物が潤う」という意味で、穀物の成長を助ける雨のことです。
『暦便覧』には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されている。(「Wikipedia」より)
「春雨じゃ濡れていこう」とは、新国劇『月形半平太』で主人公が傘を差し掛ける舞妓に言う有名な台詞。
少し前の時期、3月下旬から4月上旬にかけて、菜の花の咲いている時期に降り続く雨のことを「菜種梅雨」と言います。色々な花を催す(咲かせる)という意味で、「催花雨(さいかう)」という別名も。
春雨は、このころの、しっとりと降る雨のことをいうようです。
自転車に乗っている人が傘も差さずに走り去っていきます。
北国ではストーブをしまい、東日本では冬服を脱ぎ、西日本ではフジの花の咲き始める季節。
近くの公園のフジも少し色づいてきました。
「七十二侯」によって「3期」に分かつと、
・初侯 4月20日〜4月24日頃
葭始生 あしはじめてしょうず
水辺の葭が芽吹き始め、山の植物、野の植物が緑一色に輝き始める頃。葭は、最終的にすだれや屋根などに形を変え、人々の生活を手助けしてくれます。
・次侯 4月25日〜4月29日頃霜止出苗 しもやんでなえいづる
暖かくなり、霜も降らなくなり、苗がすくすくと育つ頃。田植えの準備が始まり、活気にあふれている農家の様子が連想できる言葉です。
・末侯 4月30日〜5月4日頃
牡丹華 ぼたんはなさく
百花の王である牡丹が開花し始める頃。美しく、存在感があり堂々としている牡丹。中国では、国の代表花として牡丹があげられ、数え切れないほどの逸話や美術に登場します。
(この項、「暦生活」HPより)
旬の野菜としては、筍(たけのこ)。
「筍」という漢字は、「旬」に「竹かんむり」を載せた形ですが、竹が10日間(一旬)で成長する(旬は「10日間」を表す)」ということに由来しているようです。
タケノコの成長の速さは次第に増し、地表に顔を出す頃は1日当たり数センチメートル程度だったものが、10日目頃には数十センチメートルから、時には1メートルを超える。タケノコにうっかり帽子を掛けたまま1日経つと(手が届かない高さまで持ち上げられて)取ることができなくなる場合があるとも言われる。この様に昼夜を問わず伸びるのがとても速いことから、漢字の「筍」は10日間を意味する「旬」から来ている、などと言われることもある。ただ、2 - 3カ月程度でその成長は止まる。長さ数十センチまで成長を続けたタケノコには養分不足のため成長を終える「止まりタケノコ」と呼ばれる現象があり、全体の30%から70%にこのような現象がみられる。(「Wikipedia」参照)
さて、穀雨の終わりごろ(「立夏」直前)が「八十八夜」(立春から数えて88日目)。今年は5月2日(月)。
「夏も近づく八十八夜」という歌い出しで始まる『茶摘(ちゃつみ)』は、1912年(明治45年)刊行の唱歌集「尋常少学唱歌」に掲載され、後には「文部省唱歌」として歌い継がれています。
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは
茶摘じゃないか
茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠
日和つづきの今日此の頃を、
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ 摘め摘め
摘まねばならぬ
摘まにや日本の茶にならぬ
(「YouTube」より)